
ベルギービールウィークエンドは2011年から毎年開催されている、ベルギー生まれのビールと料理、ステージを楽しむことができるフェスタです。
福岡、名古屋、大阪、神奈川など、4月から9月にかけて、数日ずつ各会場で開催されます。
名古屋は最初の開催地で、久屋大通公園 久屋広場・エンゼル広場において、4月26日~5月7日にかけて行われます。
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ベルギービールとは

ベルギーはビールの種類が特に多い国で、中小規模の醸造所の数は100を超え、銘柄数も少なくとも200以上あるビール大国です(一説には800~1500種あるとも)。
その豊富さから、2016年にはユネスコの世界文化遺産に認定されています。
日本で一般的なドイツ系のラガービールと異なり、ベルギーの物はエールビールが主体です。
花のような華やかな香りをもち、切れの良さよりも香りの豊かさや味の複雑さを重視した、ちょっとおしゃれな物が目立ちます。
色も金色ばかりでなく、濃褐色、琥珀色、淡い金色、ワインのような赤まで、味も甘い物から酸っぱい物まで非常に多様です。
また、アルコール度数が高いビールが多いのも特徴で、普通のビールが5%前後であるのに対し、ベルギーのビールでは8%や9%も普通で、10%越えの物も珍しくありません。
2017年度ベルギービールウィークエンドの名古屋会場では、そんな多様なベルギービールの中から112銘柄が登場しています。
この機会にベルギーのビールを味わい、自分のお気に入りを見つけてみましょう。
ベルギービールの種類
ベルジャンホワイト

ベルギービールを語るうえで欠かせないのがこのベルジャンホワイト。
小麦を使ったホワイトエールの一種で、オレンジピール、コリアンダーシードなどのハーブやスパイスを使っています。うっすらと濁り、霞がかかったような淡い色合いが特徴です。
苦みはほとんどなく、小麦に由来する優しい甘さ、ハーブと酵母が作る爽やかな香りを持ち合わせ、女性受けが良いビールです。
代表銘柄
ヒューガルデンホワイト、ヴェデット・エクストラホワイト、ブロンシュ・デ・ナミュール
ランビック

現代では数少ない「自然発酵ビール(ワイルドビール)」と呼ばれる種類のビールで、空気中を漂う酵母によって発酵させて作られます。
乳酸発酵も行われるので「酸っぱい」ところが最大の特徴です。
野生酵母は通常のビール酵母が作らない香り成分も作るので、非常に個性が強い独特の味を持つようになります。
ちょっと個性が強いのですが、ブレンドによって飲みやすくした「グーズ」という物もあり、それほど手を出しにくいということもないでしょう。
代表銘柄
カンティヨン、ブーン・オークNo.109、アウドベールセル、アウドグーズ
クリーク、フランボワーズ、フルーツビール

ランビックに果物を漬け込み、味や香りを引き出すとともに二次発酵を起こさせたフルーツビールです。
果物の酸味や甘さと、ビール特有の非常にきめ細かい泡を併せ持ちます。
クリークはサクランボ、フランボワーズはキイチゴを漬けた物で、モモを使ったペシェ、パイナップル、ストロベリーなどもあります。
代表銘柄
エヒテ・クリーケンビール、シャポー、ブーン・オード・クリーク、ブーン・フランボワーズ、ベル・ビュー・クリーク
セゾン

農家が夏の農作業の際に飲むために醸造したビールを原型にしたビールで、名前は「季節」を意味します。
冬から春先に仕込み、夏まで熟成して飲むので、防腐のためにホップを多めに使って、度数もやや高めにしてあります。
ハッとするようなホップのアロマと鮮烈な香りが印象的で、夏に飲むのにこの上なくピッタリの、爽やかかつ芳醇なビールです。
代表銘柄
セゾン1858、シリーサワー、フォー・セゾン、タラス・ブルバ、ファイブセンス
ストロングエール

その名の通り「強い」ビールで、度数が10%近くあります。
切れが良く普通のビールの様にぐいぐい飲めてしまいますが、炭酸で胃が刺激されてアルコールの吸収がかなり早くなります。
そのため、気が付くとひっくり返っていたなんてこともあるかもしれないので注意しましょう。
代表銘柄
デュベル、デリリア、ピラート、ブリガンド、ポペリンフスホメルビール、スローバ
トラピスト、アビィ

キリスト教のトラピスト会系の歴史ある修道院で作られるビールの種類です。
アビィは修道院と同じ手法によって一般の醸造所が作られた者を指します。
ビールのスタイルはデュッベル(ダブル)やトリペル(トリプル)といった、度数が7~10%もある強い物が一般的です。
デュッベルは黒に近い濃色、トリペルは琥珀色の淡色ビールで、度数や濃さはトリペルの方が上です。
代表銘柄
オルヴァル、ウェストマール、ストラッフェヘンドリック、シメイ、キャスティール
フランダースエール

フランドル地方特産のビールで、特別な麦芽と酵母を使い、オークの樽で1~2年間熟成させることで作られます。
赤いワインのような見た目と果実のごとき香り、オーク樽に生息する乳酸菌による発酵により、ワインに近い味わいがします。
代表銘柄
イヒテヘムズグランクリュ、キュベ・デ・ジャコバン、クーデシャリュー、ドゥシャス・ド・ブルゴーニュ
これらのスタイルはごく一部で、これらには当てはまらない物もたくさんあります。
どんなビールがあるのかは、言葉で説明するよりも、味わってみるのが一番手っ取り早いのは確かです。
ベルギービールウィークエンドは全国で開催されるので、近くまで来たときはぜひ参加しましょう。